お茶会へ誘われたら
お茶会に誘われたら、

何を持っていけばいいの?着物じゃないとだめ?行きたいど、どうしていいか分からないよ〜
という人がほとんどだと思います。
私も今月、初めて東京でお茶会をするのですが、友人3人を誘いました。
お茶室ってそもそも、4.5畳、6畳・・・1畳半ほどのお茶室もあるくらいすごく狭くそんなに多くの人をお招きできないのです。
今回私がするお茶会も4.5畳なので、私含め3人〜4人くらいで定員です。
これではなかなか収益がでない・・・ビジネスに転換できる人が少ない、という現状がもしかしたら茶道人口の減少になっているかもしれません。(今の茶道人口は、最盛期の半分と言われています)
私が茶道を習っているお教室もほとんど趣味でされています。
こんなことを言うとイメージが固定化されてしまいそうで良くないかもしれませんが、裕福な主婦の方がボランティアでしている、と言う状況が多いです。
もちろん、大寄せのお茶会もありますが、どうしてもお点前を近くに感じられないので、お抹茶をいただくだけの感覚になってしまいます。
だから、本格的なお茶室でお茶会に誘われたのなら、
それはとてもあなたのことを大切に思っているという亭主(お茶会主催者)の心の表れです。
なので、亭主も実は、ドキドキしてるんですよ。
着物着てシャンとしてると、そんな風に見えないかとは思いますが、
初めて体験される本格的なお茶室、茶道の良さを伝えられるだろうか、
日本文化の素敵さや魅力を感じてもらえるだろうか。
茶室とは静寂な環境ですが、心の中大騒ぎです。
一期一会のライブ
一期一会とは、茶道から生まれた教えなんです。


その時ご一緒したそのメンバーで集まることって、もうないに等しいと思うのです。
SNSで気軽に繋がれてしまう現代ですが、リアルに会うとなると、なかなか難しいでしょう。
だから、今この瞬間を大事にする、一期一会のライブなのです。
よそおい
さて、一期一会のライブ、何となく行って、何となくお菓子やお抹茶をいただく、それだけでもいいけれど、せっかくなら最大限楽しみたいですよね。
それでは、お茶の世界を楽しむための準備をしていきましょう。
所作は分からなくても、何とかなるものです。
ただ、服装や持っていくものは、その場ではどうにもならないので、準備しておきましょう。
もちろん着物が一番いいですが、ほとんどの人が難しいと思うので、洋服をご紹介します。
女性の場合は、正座した時、膝が見えないほどのスカート。ワンピースでも大丈夫です。
男性は、スーツが一般的です。


ただ、私がお茶会を開く場合は、綺麗目な格好であればいいです。特に男性は、夏場などスーツは暑いでしょうし、もし可能ならジャケットを羽織ってきていただければ嬉しいです。
お茶会は、英訳すると「TEA CEREMONY」パーティーではなくセレモニーです。
一般的にセレモニーに来ていく洋服を想像していただければと思います。
持ち物
私のお茶会では、白い靴下だけでも大丈夫ですが、ただ他のお茶会はそうではないので、きちんとお伝えしますね。
白い靴下
これだけは必須です。後に上げるものは忘れてもなんとかなるものですが、茶室とは、静寂を味わう神聖な場所なので、裸足でペタペタというのは、違うのです。
着物だと足袋ですよね。足袋の代わりに白い靴下を履いて行きましょう。


懐紙
和紙が数十枚重なった紙のこと、
ふところの紙と書いて、懐紙(かいし)その名の通り着物を着た時、懐に入れておきます。
お菓子をいただく時に使用します。


ちなみにこの懐紙、お茶会以外にも色々な場所に使えてとても便利です。
何か咄嗟にお礼をしたい時、この紙にお金を挟んで渡したり、メモにもなります。私は、お稽古の時、水屋で点前を忘れぬようにとこっそり懐紙書いていました。
値段も300円くらいですし、紙なのでそんなに劣化するものでもないので、一つ持っておくと良いと思います。
菓子切り
普段ならお菓子をそのまま手づかみでパクッとすることが多いと思いますが、お茶会では、ゆっくりと味わって食べるため、一口サイズにお菓子を切る必要があります。懐紙の間に挟んでおきましょう。


扇子
扇子とは一般的に風を仰ぐものですが、茶道においては、扇子を開きもしません。
では何に使うかというと、挨拶です。
扇子とは、結界の意味をなすのです。


こちらは、動画の方が分かりやすいので、今後動画にしていきます。
日本人って、よく自己主張が少ないとか海外からはそういう印象ですが、
挨拶もなしに人の世界へ入りませんよ、土足で踏み入ったりしませんよ、と言う思いやりと優しさから、
最初は、お互い結界を張るのです。結界というと、一見隔たっているかのように思われますが、
結界とは、結ぶ(世)界。相手の世界と自分の世界を温かく結ぶためにあるのです。
なので、挨拶が終わり結界を解くまでは、交流やお話も控えます。
交流とは、良いものでもありますが、きちんと挨拶して始めないと争いやすれ違いも起こりうる。
海外では会ってすぐにハグをする文化もあるので、少し堅苦しく思われるかもしれません。
ただ、どちらが良いとか悪いとかではなく、コントラストを楽しんでいただければ嬉しいです。
帛紗ばさみ・数寄屋袋(すきやぶくろ)
懐紙や菓子切り、扇子など一式入れておくもの。


濃茶席やお茶事では、まだ他にも持ち物があるのですが、薄茶席だけならこちらで大丈夫です。
私は、全てこだわりで選んでいますが、そうすると茶道へのハードルが高くなるので、最初はお値段も良心的なAmazonなどネットで選ぶといいと思います。
お茶会セットと検索すると沢山出てくるので、お好きなデザインをお選びくださいね。
ちなみに赤の帛紗ばさみは、祖母から引き継ぎ、ピンクの数寄屋袋(すきやぶくろ)は、師匠からいただきました。
これからも大切に使い続けたいと思います。
一番大切なのは気持ち
色々と装いや持ち物などを一気にお伝えしてしまいましたが、
一番大切なのは自分の気持ち。
お茶席とは非日常の空間です。何を感じ何に興味が湧くか観察してみましょう。
茶道とは、日本の総合芸術です。
禅、着物、歴史、教養、所作など、どこに興味を持ちましたか?
私は、最初は、「お菓子美味しい」でした。笑
静寂の中、五感が冴え渡り、ふと溜め込んでいた自分の声を聞くこともあります。
ぜひ、自分が何を感じ何を思うのか、お茶会に参加して体感してみてくださいね。